海象ノ日記

はるかな昔に さりし人の歌 今日も街に流る おもかげ知らずに 歌われる歌よ 今日も街に流る (シャルル・トレネ)

「Half-Life:Opposing Force」クリア後の感想

初代Half-Lifeの追加シナリオ。もう一つのシナリオ「BlueShift」と同じく、後にBorderlandsで有名になるGearBoxSoftwareで最初に開発されたソフトであり1999年発売の作品です。

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時系列的にはBlueShiftが2001年発売なのでこちらが先に発売されました。

seiichirou-02.hatenablog.com

作品の時間軸は「BlueShift」と同じように、やはりHalf-Life本編でゴードン・フリーマンが活躍するBLACKMESA研究所の同時刻。実験失敗による大災害(異世界Xenとのゲートが開きエイリアンが侵入する)を政府の立場から介入して証拠を隠滅するという、今までとは逆に敵側視点からの物語となります。

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研究所に向かうオスプレイの機内でブリーフィングをする主人公(海兵隊シェパード伍長)。

オープニングでは、この後Xenのエイ型エイリアンの攻撃を喰らい研究所に不時着する。

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最初に入手する武器はなんと「レンチ」。否が応でも「Bioshock」とその原点「SystemShock2」を連想させる。

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本編と比べると物理パズル要素は少な目。しかし、危険物の連鎖爆発を用いた謎解きや、本編のテンタクル(三つ首の蛇?)ステージを連想させるダイナミズムのある謎解きがある。

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巨大な甲殻類!?は正面から攻撃しても倒せない。手順よくレバーを操作し酸の海で溶かそう。

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チャプターによっては、海兵隊の生き残りと協力して閉鎖されたドアをバーナーで焼き切ったり、傷ついた兵士の介抱をメディックに依頼したりするシーンもあるが、チャプターが終わると自然に他の海兵隊と別れる仕様なので、サイドキックキャラクターとしてでしゃばり過ぎず、そのバランス調整は絶妙だった。

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本編とのリンクを連想させる「Employee of the Month(今月の優秀社員)」に選ばれたゴードン・フリーマンの肖像。

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Xenに突入する直前のフリーマン博士の後ろ姿が一瞬見える。

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Xenとのポータル(ゲート)が開かれ、フリーマン博士の後を追うシェパードだが、辿り着いた場所は今まで知っているXenとは少し違う雰囲気が漂っている。

武器や敵のバリエーションは本編と比べても違う部分が多い。

主人公が海兵隊なので「狙撃銃」や「軽機関銃」など威力に特化した武器や、「ディスプレイサー」と呼ばれるポータルガンの試作品のような兵器(プライマリは電磁ボムのように当たった敵を消し飛ばし、大ダメージの衝撃波が周囲に拡散。セカンダリはその場でXenの隔離された空間にワープし回復効果のある泉で態勢を立て直せる)など、本編の世界観引き継ぎつつユニークな物も多い。また、通常フラッシュライトの機能の「F」キーが今作では、暗視ゴーグルになっている。

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新武器バーナクルガン 中盤から登場。「ゼルダの伝説時のオカリナ」のフックショットのように、バーナクルの舌が特定の場所では向こう側に移動できる手段になる。

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鎧をまとった巨大なモンスター「ガルガンチュア」

本編でもお馴染みのモンスターだが、このダムのロケーションはフリーマンが通りすぎたほんの少し後にシェパードが逆側から来たという状況がHalf-Lifeをプレイしたなら分かるだろう。海兵隊が捕獲したガルガンチュアをダイナマイトで爆破させるシークエンス。

敵は、冒頭こそクラブヘッドやそれに寄生された研究員・兵士が主だが中盤辺りから本編に出てきた高速移動するニンジャ部隊やグレネード弾を多用する暗殺部隊、スターシップ・トゥルーパーズに出てきそうな新しいタイプの甲殻類エイリアンが多くなる。

ステージは闇に包まれた箇所が多くなり、暗視ゴーグルを多様しつつ硬い甲殻類が多くいるので、Half-Lifeよりもアクションの要素が高めだった。

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禍々しい紫のゲートから這い出てくるタコの怪物みたいなのがラスボス。両目を砲台で潰してから、口を開けると出てくる紫の光球を狙う。数回繰り返すと倒せる。

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同じGearBoxSoftwareが製作した2009年の 「Borderlands」のラスボスデストロイヤーと非常に特徴が酷似していて明らかにオマージュ元であることがうかがい知れる。

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Half-Life: Opposing Force Easter Eggs - YouTube

Easter Egg(隠れたお遊び要素)が充実しているらしく、コンソールコマンドでペンギンを呼び出すものから、noclipコマンドを打ち込むと壁の裏に隠しメッセージが有るなどクリア後に確認してみるのもいいかもしれない。

モデリングの素朴さやグラフィックの古さは否めないが、ボリューム感も本編に肉薄する程度にはありアクション要素も高めなのでHalf-Lifeサーガの一つとして未プレイのPCゲーマーにはオススメ出来る。