瀬見温泉湯治宿『喜至楼』へ
山形県最上郡最上町にある小国川。
その清流に寄り添うように瀬見温泉の小さな温泉街があります。
以前訪れたのが2009年だったのでだいぶ久しい再訪になりました。
■瀬見温泉オフィシャルサイト
新庄駅から奥の細道湯けむりラインで
山形新幹線の始発駅新庄駅から陸羽東線(通称:奥の細道湯けむりライン)の二両編成のワンマン運転電車でわずか4駅320円、目的地の瀬見温泉駅に到着。
瀬見温泉駅は無人駅です。陸羽東線は東北の秘境温泉のメッカで、鳴子温泉を始め赤倉温泉や川渡(かわたび)温泉など通好みの湯治宿があり、雪深い山間をなぞるように運行しています。
瀬見温泉駅のなか
駅から出るとすぐに温泉の看板が見えます。
義経、弁慶に由縁がある温泉なので其処此処にモチーフがありました。
小国川を挟んでゆるい下り坂を12分ほど歩くと目的の喜至楼に到着します。
真っ先に見えてきたのは喜至楼別館
温泉街に少しはいると見えてくる本館
■公式HP
山形県 瀬見温泉 喜至楼 公式ページ 鮎釣りで有名な小国川沿いにあり、義経と弁慶が発見したと言われる温泉地です。
こちらの木造作りが本館で、宿泊の受付などはコンクリート建築で増築された別館(と言ってもかなり迫力があります)で行っています。
新設の足湯と共同浴場
周囲には去年新たに作られた無料の足湯と、同じ場所に移設された共同浴場(400円)の建物が見えてきます。
電車の運行上チェックインの時間に一時間ほど早かったので、宿で荷物を預かってもらい遅めの昼食へ。
温泉街のほど近くに目当ての食堂やまやさんがあります。
懐かしい甘じょっぱいカツ丼
以前食べたカツ丼があまりに印象深買ったので今回も同じくカツ丼。850円
フキを煮た小鉢や大根の漬物も泣かせる味です。
おばあちゃんが一人で切り盛りしていました。
喜至楼館内
本館と別館が高低差のある渡り廊下で繋がっていて、建物の階をつなぐ階段も入り組んでいるので和風ダンジョン的な趣もあります。
初めてのお客さんは高確率で迷うこと間違い無しな構造になっています。
お風呂は別館と本館にそれぞれあり、細かい説明よりHPを見たほうが早いですね。
宿泊客ですと何度でも本館別館どちらのお風呂でも入り放題です。お風呂だけの日帰りプランもあるようですね。
渋みしかないです。
湯治宿のおもむき
以前撮影したものですが、本館の湯治部門はこんな感じに長期滞在のための自炊室が備わっています。
施設自体はだいぶ年季が入っていますが、Wi-Fiも完備されています。
それから館内の通路はかなり寒いですが、室内には石油ファンヒーターがあるのでなんとかしのげました。ただ山間部なので底冷えのレベルが違います。寒さに慣れた東北人でもかなり狼狽えたので冬季は動きやすい防寒着は必須ですね。
今回の部屋は
今回の宿泊プランですが一番リーズナブルな
- 一泊二食付の「湯治&ビジネスプラン」でズバリ6480円・料理は旅館の食事と言うより家庭料理をイメージした和定食になります。
- プラスして入湯料(何度でも入れます)が150円
- せっかくなのでオプションで料理も追加しました
粒マスタード、塩、ソースで頂く最上牛のステーキが2500円
一番お手軽なプランなので、食事は共同の食堂で。こんな雰囲気です。
刺し身やトンカツ
固形燃料で熱々のキムチ鍋
これにおひたしの小鉢とご飯味噌汁付きです。
更にお得なことに、某大手旅館予約サイトからではなく、喜至楼のHPから直接予約するとお銚子(熱燗で今回は初孫でした)が一本サービスと言う至れり尽くせり。
地酒も旅のたのしみ
瀬見温泉には佐藤酒造店という酒蔵があります。惜しくも5年前にこちらでは酒造りを廃業されたようですが、同じ最上郡の大蔵村にある創業1593年の県内最古の酒蔵「小屋酒造」と合資会社という形で地酒「此君-このきみ-」を継続販売させています。
佐藤酒造店でもちろん購入出来ますので、お昼に購入し窓辺でよく冷やしておきました。
吟醸このきみ(飲みきりサイズで手頃な300ml)は、飲みくちがシャープですっきりした飲みやすい味です。475円でした。
ちなみに喜至楼との距離はわずか160メートルです。
キリッと冷えた湯呑み酒
国道からも離れた場所なので環境音がとにかく静かな場所です
長い長い屋根から地響きのように雪が滑り落ちる音
沢水が流れる小さな心地よい音
極限までシンプルな環境
翌朝もしんしんと雪が…