海象ノ日記

はるかな昔に さりし人の歌 今日も街に流る おもかげ知らずに 歌われる歌よ 今日も街に流る (シャルル・トレネ)

『瀬見温泉湯治(2)』


瀬見温泉駅から、長い下り坂を5分程ゆっくり歩くと見えてきたのが
今回泊まる湯治宿『喜至楼』です。
ホームページの方では、

山形県内に現存する最古の旅館建築物
創業は江戸安政年間。元々宇和島藩の家臣だったご先祖様がこの地に移り住み、湯宿を始めました。
本館部分は明治元年の、別館一部は大正年間の建築。館内全体にレトロなムードが漂い、その雰囲気が皆様に喜ばれております。

とありますね。
さて、外観を撮影しました。


こちらが新館で、受付などはここから入ります。

横並びに神社と足湯所がありました。

ここが今回泊まる本館です。

右下の角部屋に今回泊まりました。


本館正面

本館全景

本館正面入り口にあった意匠。
カタカナの「キ」が「四」つあり、真ん中の輪っかが「ロ」で、キシロウと読むのでしょうか?

さっそく、中に入ります。



中は、長い階段、短い階段が交差して入り組み非常に迷いやすいです。

館内は、古い木造家屋と暖色系の照明で統一されていました。


これは、昔使った火鉢でしょうか?


名前入りの番傘


フォントと言い回しが時代を感じさせます。
ここは、普通の旅館と湯治宿を兼ねていますので、自炊用の台所もあります。






客室


非常にこざっぱりとした設えで、好感が持てます。
風呂無し、便所無し、気兼ね無し。
ちなみに、無線LANも問題なく繋がります。

おかしのロゴはカタカナの「セ」が「三」つで瀬見でしょうか。

温泉宿らしい意匠の落雁


自動車学校で、遠方からの生徒の合宿所としても使われているようです。

道路すぐ向いが、共同浴場でした。入湯料200円

もう一方の窓から眺めると、先ほどの神社と足湯のせせらぎが絶えず聞こえてきます。
ぶらりと外に出て、さっそく共同浴場に入ると、湯色は無色透明で42℃くらいでしょうか、丁度いい感じでした。
お風呂があるだけで、カラン、シャワーもなく極力シンプル。

お昼を摂っていないので、もう一つの目的「やまや食堂のカツ丼」へ向かいます。


店内は、食堂と昭和風の飲み屋がミックスした様な雰囲気でした。

カツ丼が出来るまで、しばらくかぼちゃの煮たのを食べて待ちます。
これもいい煮付け具合。

待ちに待ったカツ丼は、甘塩っぱい味付けで非常に自分好み。
茄子と青菜(セイサイ)かぶらの漬物もいい塩加減です。
瀬見温泉に来たら、必ず食べる価値があります。

小さな温泉街を歩いていると、地酒の看板がありました。

佐藤酒造

純米酒「此君」(このきみ)は夕食時に…

館内の案内に従いローマ式千人風呂へ

洗面所
温泉内は、カランこそあるものの、真ん中に柱がある円形状のモダンな湯船でした。

夕食は、湯治プランの為、取り立てて豪華という感じではありませんが十分満足できました。
菊の花のゴマ和えが当たりでした。

天ぷらに刺身

固形燃料で温める小鍋料理

先ほど買ってきたお酒は、自炊所の冷蔵庫で良く冷やしておきました。
スッキリと辛口でうまい!

時折雨が降り、山間部なので10℃近くまで結構冷え込みました。
この日はいつもより早く就寝しました。



翌朝は、山から朝霧が湧いていました。

これは、源泉を天然水で冷ましている施設だと思います。
8時に朝食 ご飯、みそ汁、焼き海苔、きのこの煮付け、マカロニナポリタン風、焼き魚、漬物
これもまぁ至ってシンプルなものでした。もう少しグレードが上がると、湯豆腐等がつくようです。

食事を終えて、一息つきお土産等を買い込み、10時48分の電車で新庄に向かいます。

今回、湯治プランで申し込みましたが、宿泊代は一泊二食つきプラスお銚子一本で6030円で済みました。
また、雪の振る頃にでも行こうかなと計画中です。

温泉好きのアンセム
吉幾三/旅の途中で