いとうせいこう・奥泉光文芸漫談4 IN三川町
山形県庄内平野の三川町で8日に開催された町の60周年記念イベントです。
会場は「なの花ホール」 町のセレモニーや結婚式などがとり行われる町立としては新し目の割りと広い開場です。
出演の奥泉光氏(芥川賞作家・近畿大学教授)が三川町の生まれということで、今回いとうせいこう氏との共同イベント「文芸漫談」がこの地で開催されました。
会場は開催時間の午後6時前に既に満員。一時間半(押して一時間40分くらい)みっちりと文学漫談2人の濃厚なトークショー。
今回のテーマは夏目漱石の『門』
文庫版
もう著作権は切れているのでKindleの青空文庫版が無料で読めます。
『三四郎』『それから』に続く漱石前期三部作の最後の作品で、主人公の名前はそれぞれ違いますが、設定を引き継ぎそれまでの二部作の締めくくりとして、物語の完結編に当たる作品です。
この作品を書き上げた後、漱石は胃潰瘍で入院「修善寺の大患」と呼ばれる大量吐血で生死の境を彷徨い、作風が大きく変わるのでした…
東大(帝大)で教授をしつつ1905年『吾輩は猫である』翌年に『坊っちゃん』『草枕』などを発表。1907年には心機一転し朝日新聞に入社。新聞小説の責任者をしつつ連載されたのが本作。1916年の師走に50歳で没するので作家として活躍したのは僅か10年という事になります。
終始場内のリアクションが大変よくどこまでも心地よいトークイベントでした。