マッド・マックス怒りのデスロード観てきた
ファーストデー1100円ということで、話題作を鑑賞。
デジタル上映で、最初は白い字幕に掛かったデジタル特有の格子状の模様、愛車インターセプターの窓に掛かったジャギーなどが「あれ?ちょっと…気になるな」という感じはあったが、双頭のゲッコーをマックスがむしゃむしゃ食べて(Falloutにバラモンっていう双頭の牛がいたけどそのオマージュ?)、その後のイモータン・ジョーの部隊との追跡からのいきなり愛車大破で細かい懸念は吹っ飛んでしまった。
要塞に連れて行かれるマックス。間髪入れず、出荷される牛のように背中に血液型(ハイオク仕様)を刻印され、イモータン・ジョーに忠実で短命な決死隊「ウォーボーイズ」の輸血袋へと利用される。
イモータン・ジョーの根城では(恐らく乳牛が滅びた世界で)牛乳ならぬ「母乳搾り」の為に、豊満な女たちが座らせられていた。
サンダードームで言えばマスター・ブラスターのような役どころの小人症のベビーカー男とパワー系というジョーの狂気の息子達。
民衆がジョーの居城の前に群がり、突き出た3本のパイプから水が放出された時、とんでもない物語の目撃者になってしまった感があった。
水が貴重なのにあえて上から滝のように放出したのも、ジョーなりの神格性の演出なのだろう。
狂気と倒錯と憤怒をコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはイモータン・ジョーの砦「Citadel」。
劇中唯一のコメディ要素であり、三枚目の道化であるニュークス(ニコラス・ホルト)は、虎の尾を踏む男達で言えばエノケン、ドン・キホーテで言えばサンチョ、水戸黄門で言えばうっかり八兵衛であり、しっかりと劇中の潤滑油の役目を果たして、いわばマックスの「血を分けた兄弟」でもあり、だからこそ最後の見せ場でも印象深い役どころとなった。
他にもデンデラババア達のバイク軍団(鉄馬の女たち)、他の勢力の狂人(マッド)達、舞台版ライオンキングの動物たちを思わせるように竹馬を手足に着けてぬかるむ沼地を歩く民…
車から出た長い棒で左右にブランブランするのは北斗の拳で同じの見たことがある。確かちっちゃい爺役(調べたら、アミバの部下のハブ)が永井一郎じゃなかったかな?
サウンドシステムを満載した改造ワゴンと火を噴くギターで戦士たちを鼓舞する楽団は、キューブリック監督の「バリー・リンドン」での軍楽隊を連想させた。
Barry Lyndon - British Grenadiers - YouTube
Barry Lyndon La marche avant la charge - YouTube
簡単に言ってしまえば、この映画は「神話」しかも 普遍的な「狂気の神話」の映像化だった。神話の映像化なので、カテゴリ分けするなら「スター・ウォーズ」と同じ所に収まるだろう。
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支配 「するもの」と「されるもの」そして「抗うもの」。変革をもたらす「貴種流離」の役どころである(ハイオクタンブラッドの)マックスが介在することに拠る革命の神話物語だった。